磯の童子

2006 磯上物釣行記
平成18年1月28日

磯初釣りは米水津から

 やっと初釣りなのである。

先週は悪天候と見て延期にしたのだが、予報は見事に外れて釣りにならない程の天気ではなかった。 しかし、先週鶴見に行った方々の情報によれば(急な冷え込みにより)釣果は上がっていないらしい。 そして、今日を迎えたが今週は好天続きで多少の水温上昇を期待して活性も上昇加減ではなかろうか!? ってな、いつもの楽観的予測なのである。

今回付き合って頂いたのは、前回、前々回と自己記録を更新中のサンバO君である。 あやかりたい!

午後九時出発、三平 戸次店でオキアミ各自2枚半とそれぞれ好みの集魚材を購入してから目的地米水津に向かう。 小浦港に着いたのは午前2時前、待合室で夜食(朝食?)を頂いてから、しばし仮眠をとる。 一瞬の睡眠であるがこれだけでも疲労感が随分違ってくるのだ。

戦闘服に着替え、港に行ってみると人、人、人、「な、な、なんじゃ、こりゃ!」 先週の不調情報は伝わっていないのか?それとも又喰い始めたのか?トーゼンわし的には後者を採用じゃね!    

長伸丸は定刻の午前3時に出港し横島方向に走る。まず『ラクダ』、『三角』と着けてから 地の横島東側の瀬を伺うが既に満杯と見て、半島先端方向へきびすを返しダーッシュ、良い瀬を奪取に向かうのだぁー!

で、着いた所は・・・「どこだー、ここ?」。闇夜でサーチライトに映し出された部分しか見えないが 鶴見灯台の位置から見ると『白浜』周辺のような気がする。 僕の名前が呼ばれて上礁してみると、すこぶる足場が良くラッキーなのだが「ココはドコ??」

とりあえず荷物を整理して、周囲を見渡すがどうも記憶に無い場所で初めての瀬らしい。 ここらで上がった事がない瀬があった事自体が不思議で仕方ないのだ。

それはともかく風が強い!。右(西)からの強風で予定のエギングは諦めてコーヒーを沸かす。 でもって、寝る。風裏の壁に張り付いて寝るが爪先が冷たくなって寝ておれない。 又々、コーヒーを沸かして内側から温める作戦だが流石に爪先まで暖まらない。太陽が恋しいよ。

空が白み始めた頃、準備を始める。O君は船着に釣座を構えるようなので、 僕は瀬際を見て回り、結局、右側の張り出し根の一番少ないところで竿を出す事にした。

ここらでようやくこの瀬が白浜の裏側である事に気付いた。『白浜』と『白浜の奥』の間に位置している瀬で 遠景で見た感じより意外なほど足場の良い事に改めて驚いた。場所がわかってスッキリしたらヤル気になった。

仕掛けは道糸1.5号にハリス1.5号約7mを直結し、全遊動円錐を通しハリスの2尋半あたりにフカセウキゴムをセットした。7mまで遊動のち沈め・・・何やら根拠・実績がありげで実は何も無い物を作ってみた。 言わば『池永名人』『橋本名人』のコラボレーション?(どこがじゃ!)
こいつを『ホンマ者の迷人さま』が使いこなせるか?
・・・・・なんて事は考えなくて宜しい。お魚が教えてくれます!

そいつを海に放り込んで見ると・・・右へ行ったり、手前に来たり、上っ面を滑ったり、対抗策にガン玉やパイロットを着けたり、外したり、移動したり、安定しない潮に四苦八苦する。基本的には右流れで、いい感じの潮になる事もあるが続かない。 たまにツケ餌はクロらしき取られ方をしている事もあるのだが、一向にアタリを捉える仕掛けにたどり着かず、戸惑う釣師なのであった。そして朝の強風は知らぬ間に収まり非常に釣り易い天候になっているのに刻々と時間だけが過ぎて行く。

そろそろ前置きが長〜い事に気付かれた頃かな?
な〜に大した意味は無いのです。もうすぐ始まります。
んで、すぐ終わりますから。(汗)

9時頃、見回り便がやって来た。この瞬間が辛いのである。

船長の「どんなかなー?」との質問に対し、ジェスチャーで答えなければならない。今回の様に二人してボーズならば、『アタマをさする』『×印を腕で作る』『顔の前で手を振る』のどれかで通じるだろう。もし釣れておれば『丸印を出す』で済むだろうが、どちら共言えない状況をジェスチャーで表現するとなると『丸印』を作りながら『首を傾げる』と言った様なその場に適した複合的ジェスチャーを演じなければならない。手旗信号でも憶えようかしら!?

で、今回は『顔の前で手を振った』、すると船長がホースヘッドまで出てきて最近の状況を細かく説明して下さった。要約すれば「アタリが小さいので全遊動ではアタリが取れない、だからウキ止めを付けて対応しなさい。」と、船長独特の言い回しを方言を交えながら教えて頂いた。(感謝)

42cmクロ:9時15分

長伸丸が去った頃から『いい感じの流れ』になっている。

仕掛けを作り直す時間が惜しいのでガン玉を下げ、すこしでも『アタリの出易い流し方』(説明できません)で対応する。
右に流れながらやや沖向きにカーブを描いたウキが静かに引き込まれて行く。

で、上がったのがコレ。
手尺採寸42p。

ヒキ方から察して、底根は荒くないようだ。

しばらく、この『いい感じの流れ』が続きクロの匂いがプンプンするのだが、アタリを捉える事が出来ない。船長の言葉通りの状況のようだ。右流れが強くなりO君と僕のウキが交錯する事が多くなると、お互いに流し難いと判断して、釣座をO君の隣に移した。(その間、O君はイサキを釣っている。)

仕掛けもG2サイズのウキに変更してウキ止めを一本チョットに結ぶ。
この釣座に立って見ると黒潮特有の深い紺色の潮が鼻先をかすめている。思わず生唾を飲んだ。

そして、一投目、潮目沿いに15m程流れ、元の釣座付近の瀬際まで行った所で『フワッ』と僅かに生命反応を捉える。 竿を立てると底に向かって一気に走り、そしてピタリと止まった。ゆっくりとそして徐々に強く竿を曲げ込んで行くと極少しずつ左方向へ移動し始めた。「デカそう!」とO君に伝える。

お魚に与えるテンションを出来るだけ変化させない様、竿を曲げたままのポンピング(スクワットの要領w)で浮かせに掛かった。暴れる隙を与える事無く海面下1尋まで浮いたが、ウキ下のハリス3尋が災いして竿先いっぱいまで巻き込んでも、それ以上浮かす事が出来ない。
竿を持つ手をいっぱいに上に揚げて(精一杯のサヨナラの姿勢でw)下に潜る余裕を与えないように大きく左右にお魚を泳がせながらお魚の余力を奪って行く。
海面下で青白く光る魚体はヒキの強さから察知した程の大きさではなかった。

玉網を取る時に竿への意識がお留守になった。
お魚はこのチャンスを逃す物かと一気に真下に突っ込んで片手ではノサれそうになるが、もう一方の玉網の柄を持つ手元辺りを竿にあてがいゆっくり竿を起こし体勢を立て直す。その後も何度かの突っ込みを見せたがようやく観念して玉網に収まり引き摺り上げた。なかなかの重量感だ。

45pクロ:10時40分

デップリと肥えたクロだった。

写真を撮る前にパタパタとのノタ打ち回るとこんな色になってしまった。

正確な採寸で46cm、帰宅後、測ると45cm。もっと大きいと思っていたのにーーぃ。

その後、納竿までクロを見ることはなかった

サンバ君踊る

上のクロを上げた直後にO君が釣ったクロ。

「写真を撮るから待って」と言ったら、こんなわざとらしいポーズを取った。

お魚の向きまで不自然!

やっぱり、キミはサンバ君ね。

んで、コイツも40オーバー。

錆びかけた針を咥えたカワハギ

その後、午前中は瀬際で舞鯛とカワハギ二匹が釣れただけ。

その内の一匹には誰かさんのハリが付いていた。

錆びかけてる、いつのだ?

それにデカ過ぎねーか?

42p真鯛:13時30分

のんびりと昼食をとった。

午後の部は餌も取らなくなった。

仕方なく、イサキもしくは鯛を狙って深くふかく探ってみたら、こいつが釣れた。

その後、竿を曲げてくれる奴は現れなかった。

強くなった風に負け早めの納竿をしたのだった。

しゅうりょー

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