磯の童子

2006 磯上物釣行記
平成18年4月29日

NO4 浮きグレとイナズマを見た。ブルブル。

「1番取ったけど行く?」。「ん〜〜〜〜、・・・・・いこか」。

ひと月前の会話である。米水津の特級瀬『横島1番』へのお誘いだが、生返事なのは例年なら全く釣れなくなる時期だからなのである。 同時期に1番に上礁した去年もやはり釣れていなかった。

しかし、事前の情報収集によれば今年は少し違った様子で場所ムラはあるが釣れている所もあるようで、毎週の様に 鶴見に通っている『北九州のYさん』からもその都度釣れちゃった情報を得ていた。

ってなわけで、徐々に期待は大きく膨らみ当日を迎えたのである。心配された天気も『晴れ』『波1m』と何もかも爆釣にベクトルは向いている。

今回は総勢7名でそのうち我々若者(?)グループ3名は私の車で9時に出発した。

12時過ぎに撒き餌を予約している『三平 戸次店』に着くと、「あれ〜〜?Yさんがおるわ。」
Y氏の同行者、彦星のツアー釣果ページで再々お魚を手に写真に納まっている 本物の若者Kマタ君を交え、しばらく談笑の後、お互いの健闘を期待しながら別れた。

小浦港に2時に到着。連休初日とは思えない程の静けさで釣り人の車も少ない。
出港の4時まで待合室で仮眠を取るが騒音で寝た気がしない。GO君の巨体の中には絶対、恐竜が住んどるね。。。


サーチライトに浮かぶ『横島1番』は意外にも白波が寄せている。
荷物を高場に上げると釣座を確認するが右も裏も波が這い上がり安心して竿を出せる状況ではなさそうだ。沖から吹く南風も心配な要素だった。

夜が明けると船着場にコーチ君とショーガイ者H氏、裏にGO君、高場にデンコー氏、私は右の釣座に入る。残り二人は別の瀬に上礁している。

ちょうど満潮時の為、私の釣座は這い上がる波で全く前に出ることは出来ず、5m程後ろの高い場所からの竿出しとなった。 仕掛けは全誘導円錐Mに潮受け浮きゴム、1.75号の直結で完全ふかせとした。いつも通りの私の基本仕掛けである。

潮は右から左にゆっくりと動いている。上げ潮がまだ残っているようだ。
撒餌は右の払出しに入れ、仕掛けはその左の釣座の正面やや沖に投げるが、ウキは左手前によって来る。 数投すると付け餌が取られクロの予感がする。沖目に投げたウキを手前に引き仕掛けを張り、道糸をウキより右にキープするよう心がける。 潮受け浮きゴムが1m入った所でゆっくりとウキが沈み始めた。

アワセを入れながら釣座から一段降りる、竿に感じる重さは良型のようで、少し道糸を送りながら前へ出て行く、瀬際に突っ込む抵抗に竿でタメていると 『フッ』っと軽くなった。バラしちゃったよ。オーーイ!!心の中で叫ぶ。道糸から飛んでいた。 無理した感じでもなく、瀬に当たった感触もなかったので不審に思い道糸の先端を見ると潰れて曲がっている。直結が不味かったのか??
新しいウキを通していると切断部の少し上に潰れた様な跡がある。あら?誰か踏んじゃったのね。ラインの点検はこまめにやりましょうね。

その後、左に流れるスピードが速くなり仕掛けが馴染むまでに船着の釣座エリアに行ってしまう。 仕掛けを重くしてもお魚は遥か先に居るようで餌も無くならなくなってしまった。完全に撒餌係になっている。

船着の二人は順調に釣っている。二人が休憩に入った所で「一枚釣らせて」と竿だけ持って移動した。
撒餌をするとクロがウジャウジャと集まって来た。仕掛けを入れるが、そう釣るのは簡単ではなく撒餌と一致させなくては食わない様子だ。 そうこうする内にゆっくりと下げ潮が入って来て潮目が出来始めた。しかし、何か様子がおかしい、潮目にはさざ波が立ちその区間だけ色が違って見える。 ひょっとしたらアレか?。確認出来る所まで近づいて来た。毎年この時期に繰り広げられる風景、『浮きグレ』だが、 何度見ても壮観である。クロの大絨毯と表現した所で見たことの無い人には想像がつかないだろう。

遠投すればウキが届く距離まで来たので、群れの沖に投げて浮きグレの帯にゆっくり引いて来るとコツコツとした感触が手に伝わって来るが、 アワセても掛かる事はなかった。しかし、餌は無くなっているのでついばむ様な食い方をしているのだろうか?
今度はコーチ君が浮きグレに挑むと一投目で掛けた。釣り上げたクロは口の外側にハリが掛かっていたので、餌に興味を示しているのかな??? その後、浮きグレは二度と釣れる事はなかった。

レギュラー30cm

浮きグレに夢中なっている間、撒餌をすっかり忘れていた。我にかえってしばらく撒餌を入れ、やっと1枚釣って自分の釣座に戻る。

ここはいい感じの流れに変わり、クロがちらほらと寄っているの見える。

左沖にゆっくり流れる潮に乗せ、3枚パタパタと釣ることが出来たが、また徐々に潮は早くなり始めていた。

沖に投げたウキが左手前に寄って来た所でゆっくりと沈む、アタリのような、揉まれたような、 分かり難い沈み方にキクようなアワセを入れて見たが、お魚の重さは伝わって来ず、 それどころか餌の残っている抵抗を感じる。アワセで手前に寄った位置からそのまま流し続けると直ぐにハッキリとしたアタリが現われた。

10:35 41cm

その重量感をしっかり竿に受け止めて、角度に注意しながら手前まで寄せたが、最後の強力な締め込みに少し道糸を送り 抵抗が弱まると一気に浮かせに掛かる。

でっぷりと肥えたクロが水面に横たわり、満足の一枚を手にする。

手尺で40cmオーバーを確認した。

おなかはパンパンに膨れ産卵直前なのだろう。

次に仕掛けを入れた時には完全に釣りならないほどの流れに変わっていた。すぐにウキは船着まで流されお魚に食うタイミングを与える事無く、 仕掛けを回収しなければならない状況で少し早い昼食とした。

真鯛を掛けたコーチ君

カップ麺を食べていると船着でコーチ君が何かを掛けた。

竿は大きく曲がり、声を発しながらのやり取りである

かなり遠くまで流していたらしく、ウキはなかなか見えて来ない。

みんなでその楽しげなやり取りを観覧する。

ピンクのお魚が水面下に見えるとみんなの歓声が上がる。50cmを少しオーバーした真鯛だった。

浮いたクロ

午後の部をスタートしたが相変わらずビュンビュンと流れる。

裏の釣座を見に行くと今度はこちらに浮きグレの絨毯が出来ている。

写真ではわかんないね。残念。

その後も元の釣座では釣りにならず、裏に竿だけ持って移動し休憩中のGO君の撒餌で釣らせてもらう。

表の急流とは全くの別世界、ウキはゆっくりとマルバエ方向へ流れて行く。仕掛けは竿一本の固定としていた。 かなり遠くまで流したところで少し変化を感じる。潮のヨレかなと思いながらじっくり見るとその付近にぼんやりと沈み瀬が見える。

ウキが僅かに沈んだ様に感じ、少し道糸を張ってから緩めると道糸がパラパラと出始めた。すかさず合わせ遠くから寄せて来るが、 大した獲物ではなかった。

ところがここからおかしな事になってしまった。水面に浮かせたクロを掬おうと置いてあったGO君の玉網を借り伸ばそうとするとなんだか変。 枠のねじ部分が少し折れ曲がっているのでねじが緩んでいると思い、片手に竿を持ったまま枠を持つと柄から抜け落ちた。なんだよ〜。

膝に玉網枠を置き、竿を持った手の肘でそれ押さえ、もう片方の手で柄をねじ込んで行くと最後の一締めで「カクッ」っと緩む。 あっちゃー、だめじゃんコレ、ねじが馬鹿になっとる。

次は「カクッ」の直前で止めて、やっと取り込みの体勢に入る。

勢い良く水面に横たわるクロめがけて突き出すと枠だけが飛んで行った。水面に突き刺さった枠はブクブクと沈んで行き、手には軽くなった棒が残った。 仕方ないので、抜き上げようと上げ易い位置に誘導しているとプツッと外れた。
ナニッ!なんなんだよーーー! と思わず吐きたくなるトホホな結末であった。

他の瀬に上がっていた二人が移動して来た。
干潮となり瀬は広く使える状況で私の釣座を二人に空けて、今度は撒餌と玉網と共に裏へ移動した。

北西方向の空がにわかに曇り始めている。やーな感じ。

ゴロゴロと不気味な音を起てている。
ピカッ!走る稲妻。竿を置いて逃げる。

雷雲は通り過ぎる気配はなく、雨まで降り始めた。撤収〜〜!しゅーりょー!

※雷様を連れて来たのは誰ぢゃ?

米水津・小浦港 長伸丸 0972-35-6735

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