磯の童子

2013 磯釣行記
平成25年6月29日

No.8 バキィィィーーーーーーン!

三週間前の本年第一弾後、蓋井島に行った釣友達の情報によると某瀬では餌を頻繁に取られる状況だと言う。

『わしが釣っちゃる宣言』をして、土曜日朝便の春日丸に予約を入れる。
しかし、底物釣り師の盛り上がりに反して、フカセ釣り師の活性は鈍く、出船に必要な人数が揃ったのは夕方6時前の事だった。

土曜日の半夜釣りを予定していたGO君も、そんなあおりを食って朝便に変更となった。

黒潮丸の朝便は来ていないらしく、水島に上がった二人を除いた全員(5人?)で蓋井島最北の瀬を占領する事となった。
私はGO君と共に、東側の底物ポイントに陣取る。


大威瀬ダンゴ 4:55

仕掛けの準備が整った頃には竿出しが可能である。

GO君は右の釣り座をチョイス。
狭い場所だが二つの釣り座のポイントは微妙に異なるので、やり難くはない。

影だけでもGO君。

そして日の出/5:17

私は夜が明け切るまでオカズ釣り。

ジグでカサゴ狙いであるが、1匹しか釣れなかった。

カサゴ用生餌も準備していたが、家に忘れていた。
いつもの事である。困ったやつだ。

私も底物竿に持ち替える。
バフンウニにアタリが無いと言うので、乗礁後に獲ったカニを使ってみる。

カニにはアタリが出る。
本命っぽいアタリもあったが、4匹しか確保出来なかったので、餌はスグに尽きてしまった。

餌をサザエにすると今度は餌取りのアタリばかりになった。

バフンウニに替えるとしばらくは全く触られない。
GO君のポイントでは餌が齧られ出したと言っているが、こちらは相変わらず触られない状態が続く。

やがて、こちらにアタリが出始めると、今度はGO君のアタリが遠のく。
どうも、ごく少数の石物が両者のポイントを往復しているようだ。

お魚に遊ばれながら、竿出しから2時間近く経とうとしていた。
さっきまでのガツガツしたアタリが、フワフワとしたアタリに変わっていた。
何だこれ?仕掛けを回収するとバフンウニは半分残っている。おや?

※追記:タックルが分からないと以下の文章のニュアンスが伝わり難いの紹介しておきます。
#竿は振出の軟調石鯛竿(幻覇王T-525TL)で五本継。ラインはPE10号を使い、手持ちでの釣りがメインです。

もしかしたら・・・。慎重に同ポイントに仕掛けを入れる。
同じくフワッフワッとしばらく続いたあと、スーーーっと穂持ちから三番まで引き込み穂先は完全に水の中。
時を置かずバキィィィーーーーーーン!と急激に走り出す。来たーーーーっ!

まだまだ。キンキンと竿が震えるのを確認してから大アワセ。あら?竿が起きない。
更に強く腰を入れ、生命体の動きと重量感を受けとめながらじわじわと竿を起こし、ようやく戦える体勢となった。

ポンピングを数度繰り返しては、反撃の突っ込みを食らう。伸されそうになるのをグッと堪えて体勢を整える。

『ああ、竿がやおいんじゃー(軟らかいんだ。)』とGO君。

『おお、やおいちゃーやおいけどのぅ(軟らかいと言えば軟らかいんだけどね)』(でも、このパワーと重量感はデカイだろ)と後半は心の中で叫ぶ私。

さあ、そろそろお魚が見えるって所で最大の反撃を食らって、ほぼ伸された状態まで走られる、渾身の力で「ラインよ瀬に触れるな」と祈りながら竿を起こす。

水面下に見え始めた青白い魚体。間違いなく石鯛だ!
海面を割って姿を現した圧倒的な存在感。自己記録は更新しただろう。

取り込みは波に乗せて浅瀬に引き摺りあげる事にする。
ヨイショと上げると途中で引っ掛かってしまった。次の波を待って(結構待った)引きずり上げる事に成功する。

波打ち際まで降り、ワイヤーを持って瀬の上まで吊り上げ、平らな所に横たえた。

64cmのメス/5:50

デカッ!!体の厚さが半端ではない。
ハリはカンヌキをきれいに貫いていた。
目測で60センチは超えている。

GO君のメジャーを借りて採寸する。

手は震えていない。意外に冷静である。
そう言えば、アワセから取り込みまで落ち着いて対応出来ていた自分に驚く。

64cm位か。帰港後に正確に測れるだろう。

GO君のガキ/7:51

その後、しばらく餌が盗られる状態が続く。

イシガキが寄って来ているようだ。

いいアタリもあったが走りに至らなかった。

一時間後、GO君がガキを釣った。私も安心する。
今日はとっても余裕なんである。

ストリンガー確認

この一時間の間に5回はストリンガーの確認に行った。

「いるいる」って思うだけで、なんか幸せなんだなあ。

GO君軟竿に持ち替える

おや、GO君、竿が細くなってなあい?

で、その撒き餌とサビキ仕掛けは、な〜に?

アブッテカモ

彼の狙いはフカセ釣りの大敵スズメダイ。
※30分前のターゲットはクロだった。

嫌う人も多いが、知る人ぞ知る珍味である。
別名『アブッテカモ』

脂がたっぷり乗って、旨いんだ。
お試しあれ。

64cm、5kg、真子持ちのメス

納竿準備にストリンガーを上げると縞模様が復活していた。 興奮状態で体色が変化するという事だろうか。

縞が残る石鯛の成魚は雌である。このお魚は巨大な真子を持っていた。

しかし、どう見ても美人ではない。
顔がダンダラの色黒やん。

27Lクーラー折り曲げて入れる

27Lクーラーに普通に寝かせては入らない。

立たせて曲げると上手く納まった。

しゅーりょー


photo by GO

GO君、私、どちらに釣れてもおかしくない条件だったように思います。
蓋井島の神様はより多く通った私に釣らせてくれたのではないでしょうか。

これからも、せっせと餌やりに参じたいと思いますので、次はオスでお願いします。

帰港後の正確な採寸で”64cm”、帰宅後の雑な重量測定で”5Kg”でした。

古い過去は知りませんが、私の知る限り蓋井島のレコードと思われます。
しばらくは余韻に浸れそうです。

ちなみにタックルは例のライトバージョンでした。
流石に抜き上げる気にはなれませんでしたが、やり取り中の問題はありません。またタックルに自信を深めました。

さて、これからはイシガキが多くなるでしょう。
そして私は、非情なガキ釣り師に戻るのです。

下関市・蓋井島瀬渡し 春日丸  083-286-5980

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